旧車の維持費はいくら?年間コストの内訳と節約のコツ
「旧車に乗りたいけれど、維持費が怖い」——これは当店 GRAVEL MOTOR にご相談いただくお客様から、最も多くいただく声です。
結論から言うと、旧車の維持費は「新車の維持費+修理積立」で考えると現実的な数字が見えてきます。そして、その積立額は車種選びと購入時のチェック次第で大きく変わります。
この記事では、旧車(初度登録から13年以上経過したクルマ)にかかる費用を税金・保険・車検・燃料・修理の5つに分解し、年間いくら必要になるのかを具体的な金額で解説します。
旧車の維持費、年間トータルの目安
まずは全体像です。2,700cc クラスのクロカン4WD(年間走行1万km・月極駐車場なし)を例にした年間コストの目安が以下です。
| 費目 | 年間の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 自動車税種別割 | 約58,600円 | 2.5〜3.0L・13年超重課後 |
| 自動車重量税 | 約22,800円 | 2年分45,600円を年割(1.5〜2.0t・13年超) |
| 自賠責保険 | 約9,000円 | 24か月17,650円を年割 |
| 任意保険 | 60,000〜120,000円 | 年齢・等級・車両保険の有無で変動 |
| 車検基本料+定期整備 | 60,000〜100,000円 | 2年分を年割した目安 |
| 消耗品(オイル・タイヤ等) | 30,000〜60,000円 | オイルは年2回交換想定 |
| 燃料代 | 約155,000円 | 軽油155円/L・8km/L・1万km想定 |
| 修理・予防整備の積立 | 100,000〜200,000円 | 旧車で最も重要な費目 |
| 合計 | 約50〜73万円 | 月あたり約4.2〜6.1万円 |
「思ったより高い」と感じるかもしれませんが、この表で注目していただきたいのは税金より修理積立のほうが大きいという点です。旧車の維持費は税金で決まるのではなく、クルマのコンディションで決まります。
1. 税金:13年・18年超で段階的に高くなる
自動車税種別割(毎年5月)
ガソリン車は初度登録から13年を超えると約15%重課されます(ディーゼル車は11年超)。排気量別の目安は以下のとおりです。
| 排気量 | 標準税額(2019年9月以前登録) | 13年超(重課後) |
|---|---|---|
| 1.0L以下 | 29,500円 | 33,900円 |
| 1.0〜1.5L | 34,500円 | 39,600円 |
| 1.5〜2.0L | 39,500円 | 45,400円 |
| 2.0〜2.5L | 45,000円 | 51,700円 |
| 2.5〜3.0L | 51,000円 | 58,600円 |
| 3.0〜3.5L | 58,000円 | 66,700円 |
| 4.0〜4.5L | 76,500円 | 87,900円 |
重課の詳しい仕組みは 旧車の自動車税は高い?13年超の重課を徹底解説 で解説しています。
自動車重量税(車検ごと)
重量税は13年超・18年超の2段階で上がります。自家用乗用車・車検2年分の金額です。
| 車両重量 | 標準 | 13年超 | 18年超 |
|---|---|---|---|
| 〜1.0t | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
| 〜1.5t | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
| 〜2.0t | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
| 〜2.5t | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
税金を抑えたいなら「4ナンバー」も選択肢
貨物登録(4ナンバー)の旧車バンは、自動車税が1t以下で年8,000円台と乗用車よりかなり安く抑えられます。ただし車検が毎年になるなど条件が変わるため、4ナンバー旧車バンの魅力|税金と維持費も解説 も併せてご覧ください。
2. 任意保険:旧車は「入れない」わけではない
旧車の保険で押さえるべきポイントは2つです。
車両保険は「協定保険価額」で決まる
車両保険の金額は、保険会社が定める車両価値(協定保険価額)が基準です。年式の古いクルマは市場価格より低く評価されがちで、実際の購入価格に見合った車両保険が付けられないことがあります。
- 対策1:クラシックカー・旧車専門の保険商品を検討する
- 対策2:購入時の売買契約書や査定書を提出し、価額の見直しを相談する
- 対策3:車両保険は諦め、対人・対物を無制限にして人身傷害を厚くする
対人・対物は年式に関係なく加入できる
対人賠償・対物賠償・人身傷害といった賠償系の補償は、車齢によって加入を断られることは基本的にありません。旧車だから保険に入れない、は誤解です。
3. 車検・整備費:見積もりの「予防整備」を必ず確認
旧車の車検は、法定費用そのものより同時に行う予防整備が金額を左右します。
交換時期を迎えやすい部品
| 部位 | 症状・リスク | 交換目安費用 |
|---|---|---|
| ゴムホース類(ラジエーター・燃料) | 硬化・にじみ・破裂 | 1〜4万円 |
| タイミングベルト+ウォーターポンプ | 切れるとエンジン損傷 | 5〜12万円 |
| ブッシュ・マウント類 | 異音・ハンドリング悪化 | 3〜15万円 |
| ブレーキホース・キャリパー | 制動力低下 | 3〜10万円 |
| 各種オイルシール | オイル漏れ・にじみ | 2〜10万円 |
「まとめてやる」ほうが結果的に安い
同じ場所をバラす作業は工賃が重複します。タイミングベルトとウォーターポンプ、クラッチとリアメインシールのように、関連部品はまとめて交換したほうがトータルコストは下がります。購入直後にリフレッシュ整備をまとめて行い、その後の数年を安定させるのが旧車の王道です。
4. 燃料代:旧車は排気量なりにかかる
| 想定車種 | 実燃費目安 | 年1万km時の燃料代 |
|---|---|---|
| 660cc 軽バン(ガソリン) | 14km/L | 約125,000円 |
| 1.5L レトロクロカン(ガソリン) | 11km/L | 約159,000円 |
| 2.0L 旧車バン(ガソリン) | 9km/L | 約194,000円 |
| 2.8L クロカン(ディーゼル) | 8km/L | 約155,000円 |
| 4.2L ランクル(ガソリン) | 6km/L | 約292,000円 |
※ガソリン175円/L・軽油155円/L で計算した目安です。
排気量の大きい旧車を選ぶ場合、年間の燃料代が税金の3〜5倍になることを前提に予算を組んでください。逆に、走行距離が年5,000km程度の週末ユースであれば、燃料代は半分になります。
5. 修理積立:旧車維持の本体コスト
旧車で最も重要なのが、壊れたときに直せるお金を先に確保しておくことです。
- 年間10〜20万円を目安に、車検とは別に積み立てる
- 3年に1回、20〜30万円規模の整備が入ると想定する
- 部品供給が細い車種は、出たときに買っておく(先行確保)
「維持費が高くて手放す」のではなく「まとまった修理代が急に出せなくて手放す」ケースが圧倒的に多いのが実情です。月1万円の積立があるだけで、旧車ライフの安定度は大きく変わります。
車種タイプ別・年間維持費のイメージ
| タイプ | 代表例 | 年間維持費の目安 |
|---|---|---|
| 軽の旧車・軽バン | ミゼットII、エブリイ | 20〜30万円 |
| 5ナンバー レトロクロスオーバー | 日産ラシーン | 30〜40万円 |
| 4ナンバー 旧車バン | クラウンバン、マークⅡバン | 30〜42万円 |
| 中型クロカン4WD | テラノ、パジェロ、プラド | 45〜60万円 |
| 大型クロカン4WD | ランドクルーザー60/100 | 55〜80万円 |
※任意保険・駐車場代・走行距離により大きく変動します。
軽やコンパクトな旧車から始めて、旧車との付き合い方に慣れてからクロカンに移る——という選び方も、失敗が少なくおすすめです。詳しくは 初めての旧車の選び方|失敗しない7つの視点 をご覧ください。
維持費を抑える5つのコツ
- コンディションの良い個体を買う:購入価格が20万円高くても、整備歴のある個体なら初年度で回収できます。サビは特に致命的なので 旧車のサビ対策完全ガイド を必ずチェック。
- 年式より「部品の入手性」で選ぶ:純正部品が出る車種、社外品が豊富な車種は維持費が安定します。
- 信頼できる主治医を近所に持つ:旧車を診られる工場が近いかどうかで、預ける手間と工賃が変わります。
- 距離を乗るなら燃費、乗らないなら税金を重視:使い方に合わせて優先順位を決めます。
- 不調は早く相談する:小さな異音・にじみのうちに直せば数万円、放置すると数十万円です。
よくある質問(FAQ)
Q. 旧車の維持費は普通の中古車の何倍くらいですか?
税金・保険・燃料だけを比べると1.2〜1.5倍程度です。ただし修理積立を含めると2倍前後を見込んでおくと安心です。
Q. 13年超の重課はどれくらい影響しますか?
自動車税は約15%、重量税は約39%の増額です。2.5〜3.0Lクラスなら年間で合計1万円強の負担増で、維持費全体の中では小さい部分です。
Q. 毎日通勤に使っても大丈夫ですか?
程度の良い個体をきちんと整備すれば通勤にも使えます。ただし代替の移動手段があることが前提です。修理で1〜2週間預ける前提を持てるかが判断基準になります。
Q. 予算はいくら見ておけばよいですか?
車両価格のほかに、購入時に20〜30万円のリフレッシュ整備費、年間10〜20万円の維持積立をご用意いただくのが現実的なラインです。
まとめ
旧車の維持費は、税金の重課よりもコンディションと修理積立で決まります。
- 年間トータルの目安は車種次第で20〜80万円
- 税金の重課(13年超・18年超)はあるが、影響は限定的
- 最大の変動要素は予防整備・修理費
- 購入時の個体選びが、その後の維持費を半分にも2倍にもする
GRAVEL MOTOR では、仕入れの段階からサビ・下回り・機関の状態を確認し、維持していける旧車をご紹介しています。「この車種の維持費は実際どのくらいか」といったご相談も歓迎です。
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※本記事の税額・料金は2026年7月時点の一般的な目安です。実際の金額は登録時期・車両条件により異なるため、最終的なご確認をお願いいたします。

