NOx・PM法とは?旧車ディーゼル購入の注意点

投稿日 2026-07-15

自動車NOx・PM法の車種規制をわかりやすく解説。対策地域に指定された8都府県、猶予期間、車検が通らなくなる仕組み、対象になる車種、東京都などのディーゼル車運行規制との違い、購入前の確認手順までまとめました。

NOx・PM法ディーゼル旧車車選び
NOx・PM法とは?旧車ディーゼル購入の注意点

NOx・PM法とは?旧車ディーゼル購入で必ず確認すべきこと

旧車のディーゼル4WDやピックアップを検討していると、必ず「NOx・PM法にひっかかる」という話に出会います。

これは住んでいる地域によって、その車を登録できない場合があるという制度です。車両側に問題がなくても登録できないため、購入後に気づくと取り返しがつきません。この記事では、旧車ディーゼルを買う前に確認すべきポイントを、順を追って整理します。

NOx・PM法をひとことで言うと

正式名称は「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」です。

大気汚染が深刻な地域(対策地域)において、排出ガス性能が基準に達しない車をその地域で使用できないようにする制度です。ここでの「使用」とは、使用の本拠の位置(車検証に記載される住所)をその地域に置くことを指します。

重要な3つのポイント

  1. クルマの性能ではなく、登録する住所で決まる
  2. 基準に適合しない車は、対策地域では車検を通せない=登録を維持できない
  3. 対策地域外なら登録も走行も問題ない

つまり「規制対象の車だから乗れない」のではなく、「規制地域に住所を置いて登録できない」というのが正確な理解です。

対策地域はどこか

対策地域として指定されているのは、以下の8都府県の一部市区町村です。

地域都府県
首都圏埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県
中部圏愛知県・三重県
関西圏大阪府・兵庫県

茨城県は対策地域に含まれていません。 そのため、当店(茨城県那珂市)で旧車ディーゼルをご購入いただき、茨城県内に使用の本拠を置く場合、この規制による制約は生じません。

また、上記8都府県でも全域が対象ではありません。県内でも指定されている市区町村と、されていない市町村があります。ご自身の住所が対象かどうかは、都道府県の環境部門または運輸支局で確認してください。

規制の対象になる車種

車種規制の対象は次のとおりです。

車種対象燃料
トラック・バス(貨物・乗合)ディーゼル、ガソリン、LPG
特種自動車ディーゼル、ガソリン、LPG
乗用車ディーゼルのみ

ここは誤解が多い部分です。

  • ガソリンの乗用車は対象外:どんなに古くても、この規制の影響を受けません
  • ディーゼルの乗用車は対象:クロカン4WDのディーゼル車などが該当します
  • 貨物(4ナンバー・1ナンバー)はガソリンでも対象:ピックアップやバンは燃料に関わらず確認が必要です

つまり、ディーゼルのクロカン4WDと、貨物登録の旧車を検討している方が最も注意すべき制度です。

猶予期間:何年で規制対象になるのか

対象車には、初度登録からの猶予期間が設けられています。この期間を過ぎると、対策地域では車検を受けられなくなります。

車種の区分猶予期間の目安
ディーゼル乗用車初度登録から約9年
小型貨物・軽量トラック約8〜10年
中型・大型トラック、バス約9〜12年

猶予期間は車種・車両総重量・用途によって細かく分かれており、車両ごとに判定されます。1990年代以前の旧車は、対象車であればすでに猶予期間を大きく超えているとお考えください。

つまり旧車ディーゼルは

対策地域では、ほぼ確実に新規登録・継続車検ができません。「年式が古いから通らない」のではなく「対象車で猶予期間を超えているから通らない」という整理です。

東京都などの「ディーゼル車運行規制」との違い

NOx・PM法と混同されやすいのが、8都県市ディーゼル車運行規制(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県などの条例による規制)です。この2つは別の制度です。

自動車NOx・PM法ディーゼル車運行規制(条例)
何を制限するか登録(使用の本拠)走行そのもの
対象車トラック・バス・特種+ディーゼル乗用車ディーゼルのトラック・バス・特種など
ディーゼル乗用車対象対象外
域外の車影響なし域外ナンバーでも走行できない

重要な違いは次の2点です。

  1. 運行規制は「通過するだけ」でも対象:茨城ナンバーであっても、対象車で基準に適合しなければ東京都内などを走行できません
  2. ディーゼル乗用車は運行規制の対象外:ディーゼルのクロカン4WD(乗用登録)であれば、対策地域外で登録して都内を走ることは可能です

実務上の結論

検討中の車対策地域に住んでいる対策地域外に住んでいる
ガソリン乗用車問題なし問題なし
ディーゼル乗用車登録できない可能性が高い登録可・都内の走行も可
ディーゼル貨物(ピックアップ等)登録できない可能性が高い登録可。ただし対策地域内の走行に制限が生じる場合あり
ガソリン貨物車種規制の確認が必要問題なし

購入前の確認手順

旧車ディーゼルや貨物旧車を検討する際は、次の順序で確認してください。

ステップ1:使用の本拠(車検証の住所)が対策地域か

まずここが分岐点です。対策地域外であれば、登録面の心配はほぼありません。

ステップ2:その車が車種規制の対象か

車検証の**「車体の形状」「用途」「燃料の種類」「型式」**を確認します。ディーゼル乗用車、または貨物登録の車両は要確認です。

ステップ3:適合状況を確認する

  • 車検証や検査記録で適合状況の記載を確認する
  • 運輸支局または自動車検査独立行政法人に型式で照会する
  • 販売店に「この車は◯◯県◯◯市で登録できるか」と明確に聞く

当店にご相談いただければ、ご住所での登録可否を事前に確認いたします。 ここを曖昧にしたまま契約するのは絶対に避けてください。

ステップ4:走行する地域も考える

登録できたとしても、貨物登録のディーゼル車は運行規制の影響を受ける場合があります。仕事で都内に入る予定があるかどうかも合わせて検討しましょう。

対策地域に住んでいる場合の選択肢

「都内に住んでいるが旧車ディーゼルに乗りたい」という場合、現実的な選択は次のとおりです。

  1. ガソリン車を選ぶ:最も確実な解決策です。同じ車種にガソリン仕様がある場合は有力な代替になります
  2. PM減少装置(DPF)を装着する:条例の運行規制については、指定装置の装着で対応できる場合があります。ただしNOx・PM法の車種規制は装置装着では解決しません
  3. 対策地域外に使用の本拠を確保する:実際にその場所で使用することが前提です。実態のない住所での登録は認められません
  4. エンジンをガソリンや適合エンジンに載せ替える:技術的には可能ですが、構造変更検査と大きな費用が伴います

現実には、対策地域にお住まいの方はガソリン車を選ぶのが最も無理のない答えになります。

よくある質問(FAQ)

Q. 茨城県で登録すれば必ず大丈夫ですか?

茨城県は対策地域外なので、NOx・PM法の車種規制による登録制限はありません。ただし実際にその住所で使用することが前提です。また、対策地域内を走行する用途がある場合は運行規制の確認が必要です。

Q. 引っ越しで対策地域に移る場合はどうなりますか?

住所変更で使用の本拠が対策地域になると、車検を継続できなくなる可能性があります。将来的な転居予定がある方は、購入前に必ずご相談ください。

Q. ガソリンのクロカン旧車なら気にしなくてよいですか?

乗用登録のガソリン車であれば、この規制の対象外です。安心してご検討いただけます。

Q. 軽油代が安いのでディーゼルにしたいのですが、他に注意点はありますか?

自動車税種別割の重課がガソリン車より2年早い(11年超で約15%重課)点があります。詳しくは 旧車の自動車税は高い?13年超の重課を解説 をご覧ください。それでも走行距離が多い方には燃料費の面でメリットがあります。

Q. 中古で買った後に規制対象と判明したらどうなりますか?

対策地域では車検が通らないため、登録を維持できません。契約前の確認が唯一の防御策です。販売店に書面で確認しておくことをおすすめします。

まとめ

  • NOx・PM法は登録する住所(使用の本拠)で判断される制度
  • 対策地域は8都府県の一部市区町村茨城県は対象外
  • 対象はトラック・バス・特種+ディーゼル乗用車。ガソリン乗用車は対象外
  • 条例のディーゼル車運行規制は別制度で、走行そのものを制限する
  • 契約前に「自分の住所で登録できるか」を必ず確認する

旧車のディーゼルは、トルクの太さと燃料代の安さという明確な魅力があります。制度を正しく理解すれば、選択肢から外す必要はありません。

GRAVEL MOTOR では、ディーゼル旧車のご相談時にお客様のご住所での登録可否を確認したうえでご案内しています。ご不安な点はお気軽にお問い合わせください。

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※本記事は2026年7月時点の制度概要をわかりやすく整理したものです。対象地域・猶予期間・判定は車種や自治体により細かく異なります。実際の登録可否は、運輸支局・自治体の環境部門または当店にてご確認ください。

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